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Channel: 町弁(まちべん)のひとりごと
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判決って誰も聞かないの?

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 裁判の判決って,どんな感じで言い渡されるのでしょう? TVドラマとかを見ていると,とても厳かな雰囲気だったり,言い渡された直後に「全面勝訴」とかいう垂れ幕を持って外に出たりというイメージがありますが,実際にはどうなんでしょうか?

 民事事件の判決の場合,実は,全く誰も当事者(原告・被告)が出席していない法廷で,裁判官が,結論部分だけを,ぼそぼそと述べて30秒くらいで終わる,というケースがほとんどです。実際に,法廷に傍聴に行くとわかりますが,午後1時10分から午後1時15分の間に,5件くらいの事件の判決言渡しが入っていたりします。
 民事の判決の場合,当事者に出頭の義務はなく,裁判官も,当事者の都合を考慮しないで判決の日を決めます。また,判決を実際に聞きに行かなくても,後で弁護士が電話をすれば結論を教えてくれます。さらに,詳細な理由については,結局後で判決文をみないとわからないので,よほど世間を騒がす大事件の場合を除いて,原告も被告もいない法廷で,裁判官だけがひっそりと判決を言い渡しているケースが多いんですよね。
 他方で,刑事事件の場合には,被告人・検察官・弁護人が出席の上,厳かな雰囲気で行われることが多いです。

 筆者が修習生で法廷にいたときには,原告・被告はおろか,傍聴人も一人もいなかったので,裁判官が,「はい,言い渡しました」と言って,判決の言渡しを省略してしまってたこともありました。ま,ほんとはダメなんでしょうけれども,誰も聞いてない法廷で,ひたすら判決の結論だけを読み上げるのも,少しばかばかしくなってしまうのかもしれませんね怜

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